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おはようございます。

 空気が少しずつ冷たくなり、季節の移ろいを感じる頃になりました。

 そんな中、支援の現場には新たな相談が。

 今回つながったのは、中国で生まれ、幼少期に来日した10代の若者です。

 物静かで落ち着いた雰囲気をまといながらも、心の奥に複雑な葛藤を抱えている姿が印象的でした。

 

 5歳までを中国で過ごし、その後は札幌市北区で育ちました。保育園、小学校、中学校と進み、高校に入学。

 勉強は決して苦手ではなく、友人にも恵まれ、学校生活は一見すると順調に見えていました。

 中学生の頃には美術部で制作に打ち込んだ時期もあり、描くことが好きだったようです。

 けれど、高校では帰宅部を選び、放課後の時間はひとりで過ごすことが多くなっていきました。

 

 一方で、万引きの衝動だけはどうしても抑えられず、お金の有無に関わらず繰り返してしまう状態が続いていました。

 本人も「これはもう自分だけでは止められないのかもしれない」と薄々感じていた様子で、その不安は日を追うごとに強くなっていたようです。

 同じクラスの持ち物に手を伸ばしてしまうこともあり、学校側からはこれ以上の対応は難しいと言われ退学を選ばざるを得ませんでした。

 

 家庭に戻ることもできず、行き場を失った彼は、自立援助ホームや一時保護を転々としながら過ごしていました。

 しかし、それでも落ち着ける場所が見つからず、ついに私たちへつながりました。

 初めて面談したとき、未来への希望と不安が入り混じった表情が印象的で、言葉を選びながら「治療ができるなら向き合ってみたい」と話してくれました。

 

 本人には将来の夢があります。大学へ進学し、中国語を専門的に学び、通訳として誰かの役に立ちたいという目標です。

 その思いは揺らいでおらず、支援を受ける中で少しずつでも前に進んでいきたいという強い意志がうかがえました。

 

 医師からは窃盗症の治療プログラムを案内され、今後は専門的な支援を受けながら生活を立て直していく予定です。

 「ちゃんと治したい」と語ったその一言に、私たちも伴走する覚悟を新たにしました。

 孤立してしまう若者が少しでも減るよう、一つひとつ丁寧につながり続けることの大切さを改めて感じた出来事でした。

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