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 おはようございます。

 札幌に来てもうすぐ2年を迎える青年がいます。

 現在25歳、療育手帳Bを取得しており、幼少期から社会的養護のもとで育ってきました。

 思春期の途中で家庭に引き取られ、石川県でしばらく暮らしていましたが、震災の影響で高齢の両親と同居を続けることが難しくなり、単身で大阪の西成へ向かったのだと語ります。

 頼れる人がいない土地での生活は厳しく、仕事も続かず、最終的にはホームレス状態に陥ってしまいました。

 それでも助けを求める勇気を出し、支援につながれたことが大きな転機になったようです。

 

 支援を開始した当初は、日々の生活だけで精一杯で、金銭管理もままならない状態でした。

 買ったものの記憶が曖昧になったり、必要な支払いの優先順位が分からなくなったりする場面もあり、本人自身も落ち込みがちでした。

 行動や生活状況を慎重に見守る中で、専門機関での検査を提案し、本人も「受けてみたい」と前向きに決断しました。

 

 検査の結果、知的障害であることが明らかになり、青年は自分の特性を知ることで戸惑いと安心が入り混じった表情を見せました。

 得意・不得意の方向性が分かったことで、支援の組み立て方も明確になり、日々の暮らしに小さなリズムが生まれていきます。

 

 今では、お金の使い方も少しずつ改善され、無理のない範囲で貯金を続けています。

 最初の頃とは大きく違い、封筒に丁寧に入れた数千円を誇らしげに見せてくれた姿が、とても印象に残りました。

 漢字の勉強も独学で続けており、書けるようになった文字をノートいっぱいに並べて見せてくれた時の表情は、本当に嬉しそうでした。

 

 札幌での2年間は、決して派手な変化ではありません。

 しかし、一歩ずつ積み上げてきた努力が、確かな自分の生活を形作りつつあります。

 これからも彼が自分らしい歩幅で進んでいけるよう、そっと寄り添いながら見守っていきたいと思います。

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