支援者へのインタビュー⑥ まゆゆさん

まゆゆさん  40代  女性

父親の暴力、自殺未遂、調理師になりたい、覚醒剤

つらいことも含めて生い立ちから支援している現在までを話してもらいました。

父親の暴力、自殺未遂…

 

高橋:こんにちは、はじめまして。よろしくお願いします。

まゆゆさん:はじめまして。よろしくお願いします。

 

高橋:お名前、まゆゆさんと呼ばせていただきます。

まゆゆさん:はい。

 

高橋:ではまず、まゆゆさんの生い立ちについて、お話ししていただけますでしょうか。出身とか、お仕事を含めて教えていただけますでしょうか。

まゆゆさん:はい。えーと、漁師町で生まれ育ちました。ただ、父が私がお腹に入っている時から、母に働けって言ったり、暴力でお金持ってギャンブルしたり・・・。う~ん、あのー、フェリーの航海士だったんですけど・・・。

 

高橋:お父さんが?

まゆゆさん:うん。給料は良かったんですけど、ただ、なんか、ちょっと酒乱の父で。お父さんとお母さんが離婚しまして。お母さんの方についてったんですけどー。田舎だったので、あのー、札幌に出たいと思って、お父さんの居る札幌に来て、それが19歳の時です。それからダイエーで働いたり、衣類洋品売り場とか、ホテルのフロントスタッフとか。あと、工場で働いたりもしました。

 

高橋:それは、それぞれそんなに長くない期間だったんですか?

まゆゆさん:そうですねぇ。長続きしなくて・・・。う~ん。

 

高橋:なかなか職場と合わないとか?

まゆゆさん:そうですねぇ。

 

高橋:なるほど、それで、それから、えーと、どういったのが転機というか、今、入院されてたって話も聞きましたけど、そこにナゼ病院に入ることになってしまったんですか?

まゆゆさん:あのですね、東京に行ったんですけど、ちょっと具合が悪くなって、自殺未遂したりしたんです。仕事が嫌になって、それで。

 

高橋:やっぱり、人間関係で?

まゆゆさん:そうですねぇ。それで一回母のところに帰ったんですけど、母とお金の問題で揉めちゃって。で、若かったので暴れたりして、それで精神科に入院になって。

 

高橋:ちなみにそれは幾つくらいの時?

まゆゆさん:そう、それが23歳の時。はい。

 

高橋:そう、23・・・で、そのあとは、病院にかかったり、入院したりとかは何回かあったのですか?

まゆゆさん:う~ん、そうです。結構ありました。5回くらいありましたね。だから、それが嫌で東京に一生懸命働きに行ってたんですが、北海道に戻ってくる度に親と揉めちゃって病院に入れられたりするんで・・・。う~ん。

 

高橋:なるほど、そう、お母さんとのイザコザというか。ちょっとあまり親子関係がうまくいかなくて、気持ち的に・・・。

まゆゆさん:はい。

 

高橋:入院してしまったということ・・・(ですかね)?

まゆゆさん:はい。

 

高橋:なるほどぉ。このNPO法人には何がきっかけで?

まゆゆさん:あ、はい。今回の、(入院していた)病院で、ケースワーカーの先生から紹介を受けて。で、会う事になったんですね。

 

高橋:あ、なるほど。その最初の印象ってどうでしたか?

まゆゆさん: スゴイ良い人達だなぁ、と思って。スゴイ支えになってくれて。昨日も必要な物とか、ドン・キホーテに(一緒に)買い物(に行ってくれて)。すごく遠いのに、良かったです。

 

高橋:一緒にね。

まゆゆさん:良かったです、ホント、巡り会えて。

 

高橋:そう言ってもらえて、良かったです。

まゆゆさん:はい。

 

高橋:これから、新しい生活をしていく形になりますが、これからやっていきたい事とか、ありますか?

まゆゆさん:う~んと、作業所に通って、調理して・・・、調理師の免許とか取りたいなぁ、と思ったりします。

 

高橋:へぇ~、お料理?好きなんですかぁ?

まゆゆさん:はい。好きです(笑)。はい。

 

高橋:そういうね、目標があると多分、仕事的にも頑張れるかなぁと思いますよね。

まゆゆさん:はい。

 

高橋:そっか、そっかぁ~夢いっぱいですね。じゃぁこれからその調理師の免許を取るに向けて、仕事をしていって、気持ち的にも少しずつ穏やかになっていけばって思いますね。

まゆゆさん:はい。ありがとうございます。

 

高橋:それでは次にお聞きするんですが、法に触れてしまった事があるというふうにもお聞きしたんですが、それはどういった経緯だったのか教えていただいていいですか?

まゆゆさん:はい。あのですね、インターネットで検索したら電話番号が出てきたので電話して、初めて、使用したのが21歳ぐらいだったんですが・・・。そんなにやってなくて。

 

高橋:それは??

まゆゆさん:覚醒剤。インターネットで、覚醒剤を売ってるのを見つけて、電話して頼んだんですよね。この時、小樽のグループホームに居たんですが、小樽の人は、私がそういう病気を抱えているのを知っているので、もしかして、まゆゆそれじゃないのって言われたんで、そうですって正直に答えたら警察を呼ばれて。で、あのー、所持で捕まってしまいました。

 

高橋:やっぱり精神的なこと、周りとうまくいかないってことから覚醒剤に・・・(手を出した感じ)?

まゆゆさん:いやぁ、そうじゃなくって、う~ん、欲求ですよねぇ。

 

高橋:なるほど・・・、それは1回だけ?

まゆゆさん:いやー、前にもあのーなんでしたっけ、執行猶予付きで所持で捕まってました。

 

高橋:あ、なるほど。じゃぁそのあと、またインターネットで出てきたので、ついついっていうような感じ?

まゆゆさん:はい。

 

高橋: なるほど。なるほど。あのそれで服役はされたってことです・・・ね?

まゆゆさん:はい。

 

高橋: どのくらいの期間?

まゆゆさん:1年半です。

 

高橋: あ、1年半。なるほど。その服役している間っていうのは、特にまた欲しいとかっていう症状というかぁ、そういったのはある程度落ち着いた?

まゆゆさん:落ち着きましたねぇ。う~ん。

 

高橋: 良かった良かった。そっかぁ、それがいつぐらいですか?

まゆゆさん:38歳くらいの時なので、う~何年前だろう。う~ん・・・。

 

高橋:もう何年か経ってる。

まゆゆさん:はい今44歳なので・・・。

 

高橋: その後は?特に・・・まぁ、今あれじゃない?

まゆゆさん:はい、使ってません。はい、絶対戻らないって。

 

高橋: もう、絶対戻らないって、そういう状況には戻らないって強い意志があるってことですね。

まゆゆさん:はい。

 

高橋: まぁ、さっきも言ってましたけど、目標を見つけて、今はそういったもの(クスリ)とは縁を切って、新しく前に進もうといった気持ちってことですね。

まゆゆさん:はい。ええ、はい。

 

高橋:ありがとうございます。すみません、なんか、お話ししづらい事を聞いてしまって・・・申し訳ないですが・・・。

まゆゆさん:いいえ。

 

高橋: じゃぁ、今、出所して、もう数年経っている訳ですけど、出所した後で辛かったことって何かありますか?

まゆゆさん:やっぱり欲求もきたし、体が・・・、結構、体力なくなっちゃって。う~ん、それで大変だったかなぁ。

 

高橋:そっか、体力的には・・・。体が、それはクスリを欲してっていう症状というかも・・・

まゆゆさん:う~ん、そう、う~ん。

 

高橋:そういうのを含めて、体も気持ち的にもっていうところだったんでしょうかねぇ。

まゆゆさん:ええ、

 

高橋:それで、今回、退院されてきたってことですが、入院とクスリと関係はあったのかな?

まゆゆさん:いえ、関係ないです。

 

高橋: なかったんですね、良かった。それは何よりです。

まゆゆさん:はい。

 

高橋: 入院て、今回の入院の期間はどのくらい。

まゆゆさん:えーと、1年と11ヶ月ですね。

 

高橋: 結構長かったんですね。

まゆゆさん:はい。

 

高橋: 入院生活でも、やはりなんて言うんでしょう、気持ちのこう、波みたいなのは最初の頃はありましたか?

まゆゆさん:最初はあったんですけど、あとあと、全然幻聴とかも聞こえなくなったし、うん、落ち着いてました。

 

高橋:そう、落ち着いた、それは良かった。

まゆゆさん:はい。

 

高橋:では、最後にお聞きしたいんですけど、今、同じような事で、苦しんでいる人達に向けて一言いただきたいと思うのですが。

まゆゆさん:はい。ウツの方とかは、あの、そうですね、頑張りすぎてきたから、頑張らなくていい(んじゃない)。うつの人じゃなくても、あのー、休養して、静養して、必ず光は見えてくるので、元気で日々暮らしていって欲しいと思います。

 

高橋: ありがとうございます。
 

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