支援者へのインタビュー③ ゆきさん
ゆきさん 20代 男性
追い出され鍵交換、漫画喫茶やスーパー銭湯、捨てられた荷物、支援を受けるのが恥ずかしい、居場所がない、殺したい
つらいことも含めて生い立ちから支援している現在までを話してもらいました。
支援を受けるのが恥ずかしい…
高橋:今日はよろしくお願いします。まず、このインタビューで名前をお聞きしているんですが、なんてお呼びしたら良いでしょうか?
ゆきさん:えーと、では、ゆきさんでお願いします。
高橋:はい、では、ゆきさんと呼ばれていただきます。よろしくお願いします。
ゆきさん:よろしくお願いします。
高橋:まず最初に、生い立ちについて、ご自身の出身地またはこれまでのお仕事や、どういう生活だったのか、とか教えていただいていいですか。
ゆきさん:はい。元々、出身は東京の方なんですけど、東京で奥さんと出会いまして、奥さんの地元が札幌だったんです。僕、婿入りすることになって、それで奥さんについて来て。12月の末までは仕事をしてました。
高橋:どういう仕事ですか?
ゆきさん:印刷業です。ビジネスフォームって言って、みんなが代行収納とかで請求書とかあるじゃないですか、そういうものの印刷とか、あとは役所に出したりする住民票の印刷をしていました。
高橋:12月まで仕事をしていたってことですけど、今こうやって支援を受けるに至るまでの経緯をお聞きしてもいいですか?
ゆきさん:経緯は元々、奥さんと一緒に住んでいたんですが、些細な事でケンカになって、家の名義が奥さんで、一応、僕同居人だったものですから、奥さんに出て行けって言われて・・・。いきなり家を追い出されて、家の鍵も閉められて、家に入れなくなっちゃったんです。ある程度お金は持ってたんですけど・・・。何日かしたら帰れるのかなぁと思ってたんですが、何日経っても連絡も取れないし・・・。このままじゃ・・・、札幌なんでね。
高橋:そう、冬ですからねぇ。
ゆきさん:そう、冬なんで死んじゃうと思ったので市役所に相談させていただいて。そしたらOSさんのところに支援をお願いして、今、新しい家に住でるっていう形です。
高橋:なるほど、仕事を辞めてから奥さんとケンカをして家を得るまでどのくらいの期間?
ゆきさん:家を出るのは・・・すぐ家を出ました、ケンカして出てけって言われて。戻ってもすぐ家の鍵を変えられてたので・・・、1週間ぐらいですかね。実質。
高橋:そこから区役所に相談に行くまでの間は、どうしていたんですか?
ゆきさん:だいたい、マンガ喫茶に行ったり、まぁ、スーパー銭湯です。2000円くらいで(1日)ずっと居られるので。やっぱ、お風呂入れないと気持ち悪いので、汚くはなりたくないなぁっと思ったので、最低限そういう身だしなみには気を使ってたんです。やっぱり毎日2000円くらい使ってたなぁ。1週間で結構な金額になってしまうので。はい。
高橋:そうですね。なるほど。じゃ今、区役所に相談をしてここに入居したってことですけど、実際、その支援を受けるまでの、それほど長くない期間かもしれないですが、その時の心境って、どうでしたか?
ゆきさん:いやぁー、これからどうしたらいいのかなぁ、って。とりあえずまだ若いし、別にっと(思ってました)。変な言い方ですけど、ただ家がなくなっただけなので、住居があればまたやり直せるのかなぁって思いますね。
高橋:仕事を決めるにあたっても、やっぱり住所がどこかにないと仕事が決められない?
ゆきさん:はい、(住所が)ないと就職に対して無理ですしね。スーツとか荷物も全部捨てられてしまったので、何もない、着の身着のままって感じだったので。
高橋:あーなるほど。そういった物を揃えるのにも、ある程度お金も必要だったんですねぇ。それこそ住むところ、食べるところがないとってことですねぇ。
ゆきさん:そうですね。はい。
高橋:今こうやって、入居してみて居心地というのはどうでした?
ゆきさん:まぁ、そのー、ずーと奥さんと一緒にいたので・・・、1人で自由な事ができるのは逆に良いのかなぁって思います。あと、焦らないでまた新しく仕事見つけ直して、結婚するならして、まだ27歳なんで、新しくやり直しきくのかなぁっていう歳なので頑張っていきたいです。
高橋:将来的にはどうですか?また印刷の会社のスキルを活かすのか、またはこれを機にまったく別の仕事に興味があったり、将来的な夢などがあったらお聞かせ下さい。
ゆきさん:まぁ、あのー、印刷業は前にやってましがた、若干言うと下火だったのでちょっと違う業界でやってみようかなぁって。何でもいいので。やっぱ、資格がなくても工場とかはできちゃうんで、資格取って資格が役立つような仕事の方が良いのかなぁって思いますねぇ。こうやって、家に居る時間が多いなら勉強した方がいいのかなぁって、ふと思います。
高橋:じゃぁ、かなり将来に対しては前向きに考えているんですね。
ゆきさん:あ、前向きです。
高橋:はい、ありがとうございます。では、実際、支援を受けてみて良かった事とか、また、前の自分のようにまだ支援に結びつく前で困っている人達ってまだまだいっぱいいると思うんですけど、そういった方にどういった声をかけてあげたいと思いますか?
ゆきさん:そうですねぇ。やっぱり、支援を受けることが自分的に若いし、恥ずかしいって結構あるんですよねぇ。別に(支援を受けなくても)働けるでしょ、とか(思われるし)。でもどうしようもない時がある、どこにも行くところがないって(いう時がある)。逆にそういった時に犯罪を犯して刑務所に行っちゃたりする人がいるのであれば、迷った時、そういう支援を受けられるなら支援を受けるべきだと思いますね。
高橋:なるほど。以前、働いてる時の職場でパワハラ的な事を受けたっていうのをお聞きしたんですが、その時の状況に関してもお聞きしてもよいですかぁ?
ゆきさん:いろいろあって、一回仕事辞めて、また再就職って形で10月に印刷会社に入社したんです。そこで未経験でも良いってことで、社長さんと直接面接だったんです。小さい中小企業の印刷会社だったので。本当に未経験でも良いですかぁ?(何にも)わからないですよぉ、って言って。「それでもイイから、人いないから来てくれ。」って言われて出勤したんです。
そしたら、就業時間が8時半からでその30分前には行っていたのに、社会人なら来るのは1時間前が当たり前だぁ、とか(言われた)。また、分からない(事があったら)なら聞けって言われたから聞いたら、1回教えた事、なんで覚えられないんだぁ、って(理不尽に)怒られたりとか。そういうのが多々あって、これは無理だと(思った)。社長さんや役員の方に相談したんですが、長くやっている人の方が、大切なんでしょうねぇ。(相手が)職人さんなんで、技術はあるし、その変わりにはまだなれないので。アイツ(=職人さん)は長くやってるし、それはお前が我慢するしかないぞって(他の人から言われた)。
これはムリだと思った。このまま仕事やってても楽しくないし、ウツになりたくないし。そういう形で辞めたって感じです。
高橋:実際、奥さんとケンカするに至った時に、やっぱり仕事を辞めたのが理由ですか?
ゆきさん:多分あると思います。やっぱり辞めてダラダラしてたっていうか、また就職探さなきゃぁって、そんなんで辞めんじゃねぇって奥さんに責められてましたから。居場所ねぇなぁって。会社でパワハラ受けたとしてもしょうがないかなぁと我慢するしかないかぁと。
高橋:もしそのまま我慢をして仕事を続けていても、精神的にもかなりダメージが大きかったと思いますか?
ゆきさん:うー、まぁ思いますし、下手したら、ちょっと言い方悪いですけど、その上司のこと、若干、ホント殺してやろうぐらいまで思ってたくらいなんで。そのくらいひどかったので。お前は向いてないから辞めた方がいいんじゃないか?とか毎日出勤してから(言われてました)。1年、2年やってて言われるならわかるんですけど、まだ1ヶ月ですよぉ。1ヶ月で何がわかるんだ、1ヶ月で全部覚えられるんならこんな会社来てないよぉって内心思ってました。
高橋:じゃあそこに至らなかったのは幸いだったんですね。
ゆきさん:そうですね、自分がつぶれる前に逃げようって思って。1回訴えようかなぁと思って、会話も全部録音してたんですよね。こういう言われ方をしているってのを。けど、やっぱり訴えようにも、それで(訴えるのにも)金かかったりするので(諦めました)。
高橋:そうですね、結局それで何か変わったとしても、またそこの会社で働くってのはねぇ。
ゆきさん:そうです、働くのはムリなので。
高橋:そうですよね、プレッシャーになりますもんね。
ゆきさん:はい、そういうところは別に変わらない会社なんだろうなって。社長とかその上の人に言っても無理だったんで。
高橋:なるほど。そっかぁ、じゃあ今、こういった形で支援に結びつきましたけど、それに関してはどういう感想ですか?
ゆきさん:まぁ、でもよかったなぁって思います。こういう団体があることも僕は知らなかったですし。普通に市役所行って、普通に家用意されてっていうイメージだったんですが・・・。こういう形で面倒見てもらえるのが良い。っていうか日本だからなのかなぁって、ありますよねぇ(思いますよねぇ)。
高橋:最初に割と早い段階でこうした支援につながったことで、やり直しというか次の道に進みやすくなってるのかなぁと思いますね。
ゆきさん:そうですねぇ。
高橋:ぜひ前向きに。これから新しい仕事をして、新しい世界に飛び出して行ってほしいと思います。
ゆきさん:そうですね。はい。
高橋:私たちも期待しています。何か困りごとがあったらぜひ相談してください。よろしくお願いします。今日はインタビューに答えていただき、ありがとうございました。
ゆきさん:こちらこそありがとうございました。
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