支援者へのインタビュー④ かわさん
かわさん 40代 男性
刑務所に5回、銃刀法違反、覚醒剤、窃盗、暴行罪、脅迫罪、ホームレス、知的障害
つらいことも含めて生い立ちから支援している現在までを話してもらいました。
ホームレス、知的障害…
高橋:こんにちは、今日は、かわさんにインタビューをさせていただきますのでよろしくお願いします。
かわさん:よろしくお願いします。
高橋:ではまず、かわさんの生い立ちについて、教えていただけますでしょうか。出身地とかこれまでのお仕事とか、そういったことについてお話しいただければと思うのですが。
かわさん:はい、まず、出身地は美幌町です。両親は義理の母親と父親はもう亡くなっておりますし、産みの母親はどこにいるかちょっとわからないんですが・・・。
高橋:なるほど、これまでにしてきたお仕事なんかはどうでしたか・・・?
かわさん:最初の頃は・・・美幌の中学を卒業してから、父親の紹介で、寿司屋に、回転寿司の寿司屋に就職しました。東京の町田市で。
高橋:あ、町田で。それからは?
かわさん:4~5年勤めたんですが、辞めまして。人間関係で(辞めました)。それから転々としていました。
高橋:あーなるほど、それは国内を?っというか北海道に戻って来てということですか?
かわさん:いや、北海道に戻ってきたり、また内地行ったりと。はい。
高橋:なるほどなるほど。その中で、ちょっとお話し辛いと思うんですけど、服役の経験があるとお聞きしたんですが、そのことについて、最初に服役してしまったきっかけとか、出所してからのお話しを伺ってもよいですか?
かわさん:はい。最初、初犯の時は窃盗罪でつかまりまして、その頃は執行猶予付きでした。執行猶予3年の保護観察3年でした。
高橋:その執行猶予が明けて、また普通の生活というか仕事をされたりしてたんですか?
かわさん:仕事も・・・長続きしなかったです。
高橋:それは人間関係が嫌で?
かわさん:はい。人間関係で・・・。
高橋:そのあと、服役と出所を何度か繰り返されてるってことですよね?
かわさん:そうですね、5回つとめてます。刑務所に。
高橋:5回。はいはい。それはどういった?同じように窃盗で?
かわさん:いえ、違います。あの、銃刀法違反とか覚醒剤とか暴行罪とか脅迫罪とかです。
高橋:なるほど。それで、覚醒剤・・・さっきもちょっとお話しにありましたけど、今、完治されてる覚醒剤の精神不安とかっていうのがあったって事ですけども、そういったのは、もう今は完治しているので、症状とかは全く出てないんですよねぇ。
かわさん:はい、完治してます。出てないです。
高橋:なるほど、一番最初に服役をするきっかけになった窃盗というのはどういうきっかけでしたか?
かわさん:結構、ややこしい事件でしたので・・・。事件の内容は最初、コンビニ強盗に入るつもりだったのが、なぜか打ち合わなくなったというか。罪名は窃盗罪に変わったというと変ですが。昔の話しですので違うんですけど。まぁ、罪名は窃盗罪です。執行猶予付きの保護観察3年つきました。
高橋:その時は経済的に困ってってことですかね?
かわさん:はい、そうですね。
高橋:なるほど、その後、出所してまた別の罪状ですけど服役していく、その出所している間に、またいろんな次に再犯してしまうまでの間に苦しい事とか、困った事がいっぱいあったと思うんですが・・・。
かわさん:はい、ありましたね。
高橋:そういったのも、再犯のきっかけになってしまったということですかね?
かわさん:え~、その頃は荒れてましたので・・・。行くところもない、就職はできない。自分は昔、自殺未遂を何回もしていた。上野公園に行って首つろうかなぁ、とか、ホームレスみたいなことも少ししていた。
高橋:やっぱり生活していくために、いろいろと支援がされてなかったことで、困った事とかたくさんあったと思うんですけども、その中でどういった事が一番辛かったですか?出所している間でも、お金がない事とか、家がない時期とか。
かわさん:若い時はすごく辛かったですが、今は支援者の皆さんに支援していただいて、すごく助かっているんです。ホント。
高橋:今の支援に繋がったきっかけは?
かわさん:きっかけは、前回の事件です。最初、銃刀法違反で捕まったんですが、警察の方で、なんで刃物を所持したんだっていう取り調べがありまして、それであの、デタラメなことを言ったら、(取り)調べを終わらせないぞって言われたんですよ。それで、デタラメな供述をしたんですよ。で国選の弁護士さんが決まってから、網走警察署の面会の時に自供はデタラメなんですといったんです。
それで、起訴されて、1回目の裁判の時に弁護士さんは無罪をアレする(訴える)っていってた。精神鑑定しました。網走の病院に39回入退院を繰り返しているんだけど、覚醒剤精神病で入院してたんですけど、完治してないって納得していなかった。自分は。
高橋:それで最終的に起訴されて、そののちにこの支援に結びついたってことですか?
かわさん:そうです。網走の弁護士さんのカワベマサヒロ先生が担当なんですが、国選弁護人さんですが、判決が下りる前にギルドケアさんのお話しが出まして、その方が「一からやってみないか?そしたら執行猶予で出れるから。検察庁もOKしておりますし。」と仰ったんですよ。
高橋:なるほど、そこで支援に結びついて、その後、住む場所が決まったってことですね、。
かわさん:はい。
高橋:今現在はどういった生活ですか?
かわさん:生活は普通に幸せな生活を送ってます。今までになかった幸せですね。
高橋:就労支援のお話し出てましたが、
かわさん:就労支援は今は、行ってないんです、この前辞めまして。事情が事情っていうか、自分がトラブルを起したわけではないんですが・・・。就労支援の職員の方に毎日シャワーしてるのに、「フケがすごいね。頭洗ってるの?」とかそういう(嫌な)ことを言われたんです。(自分では)かゆくもないし、「毎日シャワー浴びてます。」って言ったんですが、それから(就労支援に)行かなくなったんです。
高橋:職員さんと合わない部分があったというか、“言われなき”みたいな事があったのですね。
かわさん:そうです。
高橋:では、今は安定して住むところとか食べ物もあって困らなくなったと思うのですが、このあと、将来的にご自身の仕事とか趣味とでもいいですが、どういったことをやってみたいと思いますか?何かチャレンジしたい事とか。
かわさん:いずれは働かなきゃいけないとは思っているが、自分は知的障害者なので、普通の人より知能が遅れています。だから、一般の会社では仕事できるのかなぁ、出来ないのかなぁって考えてしまいます。
高橋:ちょっと福祉就労から始めて、いずれ一般企業に繋がったらいいなぁっていう状況ですか?
かわさん:あー、まだ自信ないです。
高橋:そんなに焦る必要はないと思うので、かわさんのペースでやっていっていただければいいなぁ、と思います。
かわさん:はい。
高橋:あと、今回のように支援を受けてみて、率直に良かったと感じてますか?もしそう思っていたら、どういうところが、良かったかなど、教えてもらえたらと思うのですが。
かわさん:今回の支援者の方々には感謝している。皆さんにも困った時に助けていただいて。わからないことがあれば、教えていただけますし。
高橋:そうですよね。本当にささいな事でも相談をしてもらえるような体制を作りたいと思っているので、ぜひぜひ何かあったら、なんでも相談していただければと思います。それと、今、昔のかわさんのように、困っている人達って社会にまだまだいっぱいいらっしゃると思うんですが、そういった方に向けて掛けてあげたい声とか、ありますか?
例えば自分みたいに支援に結びつくと、人生が今までと変わりますよーとかあれば。
かわさん:例えば、自分の悪いところを、自己中みたいな考えじゃなくて、いろんな人の意見を聞いて行動するという(ことですね)。
高橋:自分で抱えきれない問題は皆さんあると思うので、できるだけ支援に繋がっていくように、相談していただければ、また変わってくるかなぁと思うんですよねぇ。
かわさん:はい。
高橋:最後に、今の生活に対しては満足、幸せを感じていますか?
かわさん:スゴイ満足してます。ホント、感謝しています。
高橋:ありがとうございました。今後も支援を続けていきますので、よろしくお願いします。今日はどうもありがとうございました。
かわさん:ありがとうございました。
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