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ホームレス状態がなくならないのはなぜか

住まいを失う理由は一つではない


ホームレス状態に至る経緯は、一人ひとり異なります。

 

例えば、次のような出来事が重なることで、住まいを失うことがあります。

    • 会社の倒産や解雇、収入の減少
    • 病気やけが、障がいによる離職
    • 家賃滞納や契約更新ができない
    • 家族との離別や関係悪化
    • 配偶者や家族からのDV・虐待
    • 職場や周囲との人間関係の悪化
    • うつ病などの精神疾患や依存症
    • 借金や金銭管理の困難
    • 住み込みの仕事を辞めたことによる住居喪失
    • 退院・退所・出所後の住まいが決まっていない

国の「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」でも、路上生活に至った理由として、仕事の減少、倒産・失業、職場の人間関係など、複数の要因が挙げられています。若い世代では、家庭関係の悪化や家族との離別・死別も見られます。

したがって、ホームレス状態を「本人の努力不足」だけで説明することはできません。収入、住まい、健康、人間関係などの問題が連鎖し、本人の力だけでは立て直すことが難しくなる場合があります。

統計に表れにくい「見えない住まいの不安定」

厚生労働省が2026年1月に実施した目視調査では、全国で2,481人、札幌市では30人の路上生活者が確認されました。全国の人数は前年より110人減少しています。

ただし、この調査の対象は、公園、河川、道路、駅舎などを生活の場所としていることが目視で確認できた方です。知人宅を転々としている方、ネットカフェや終夜営業店舗で寝泊まりしている方、退去期限の迫った住居にいる方などは、通常この数字には含まれません。

そのため、調査上の人数が減っているからといって、住まいに困っている方がいなくなったとは言い切れません。

路上生活だけでなく、次に寝る場所が決まっていない状態や、家賃を払えず退去を求められている状態も、早急な支援が必要な「住まいの危機」です。

路上生活が長くなるほど生活再建が難しくなる

住まいを失うと、安全な睡眠や食事、入浴、着替えといった日常生活の維持が難しくなります。

住所、電話、身分証明書などを失うことで、仕事探しや行政手続き、医療機関の受診が難しくなる場合もあります。寒さの厳しい札幌では、冬の路上生活が命に関わる危険につながることもあります。

さらに、周囲から避けられたり、相談先でつらい経験をしたりすると、「相談しても無駄だ」と感じ、支援を求めること自体を諦めてしまうことがあります。

OSフォワードは、住まいを失ってからだけでなく、家賃が払えない、退去を求められている、今後の住まいが決まっていないという段階で相談することが重要だと考えています。

ホームレス状態でも生活保護は申請できる

生活保護は生活を立て直すための制度

生活保護は、生活に困窮している方の最低限度の生活を保障し、自立を支援する制度です。

収入や資産、世帯の状況などを福祉事務所が確認したうえで、必要に応じて生活費、家賃、医療費などが支援されます。

ここでいう「自立」は、就職して生活保護を利用しなくなることだけではありません。生活リズムを整えること、治療を続けること、福祉サービスを利用すること、人とのつながりを回復することなども含まれます。

生活保護は、困った人を責めるための制度ではなく、生活を立て直すための社会的なセーフティネットです。

住所や必要書類がなくても申請できる

 

生活保護について、特に知っていただきたいことがあります。

    • 住むところがなくても申請できます
    • 必要書類がすべてそろっていなくても申請できます
    • 現在いる場所の近くの福祉事務所に相談できます
    • 施設への入居に同意することは申請の条件ではありません
    • 同居していない親族に相談してからでなければ申請できない、ということもありません

これらは厚生労働省の生活保護案内にも明記されています。

ただし、申請すれば必ず受給できるという意味ではありません。受給の可否は、福祉事務所が収入、資産、世帯状況などを調査したうえで決定します。

札幌市では、各区役所の保護課で生活保護の相談と申請を受け付けています。詳しくは札幌市の生活保護制度案内をご確認ください。

一人で窓口へ行くことや、状況を説明することに不安がある場合は、支援団体へ相談する方法もあります。OSフォワードでは、生活保護制度の説明、書類作成、窓口での対応など、生活保護申請に必要なサポートを行っています。

生活保護を利用しない背景にも目を向ける

生活保護を利用できる可能性があっても、申請をためらう方がいます。

その背景には、次のような事情があります。

    • 「生活保護を受けるのは恥ずかしい」という思い
    • 行政や支援機関に対する不信感
    • 過去に相談して傷ついた経験
    • 家族に知られることへの不安
    • 制度や申請方法が分からない
    • 書類や携帯電話を失っている
    • うつ状態や障がいなどにより手続きを進められない
    • 共同生活や施設での生活に抵抗がある

これを「支援を拒否している」「本人に自立する意思がない」と決めつけるべきではありません。

支援する側には、制度を一方的に勧めるのではなく、本人が何を不安に感じているのかを聞き、選択肢を分かりやすく説明する姿勢が求められます。すぐに結論が出なくても、関係を切らず、繰り返し相談できる環境をつくることが大切です。

ホームレス状態から抜け出すために必要な支援

炊き出し・夜回り・シェルターは支援につながる入口

炊き出しは、食事を提供するだけの活動ではありません。支援者と出会い、体調や生活状況について相談するきっかけにもなります。

夜回りや声かけ活動も、相談窓口まで来ることが難しい方とつながるために欠かせません。

OSフォワードでは、毎月1~2回、札幌駅、大通駅、狸小路周辺で夜回りと声かけ活動を実施しています。

緊急シェルターは、その日の安全な寝場所を確保し、心身を休めるための支援です。特に札幌の冬は、まず寒さを避け、安全な場所へ移ることが優先されます。

ただし、炊き出しや一時的な宿泊だけでは、住まいの問題が完全に解決するわけではありません。そこから生活保護、住居、医療、福祉などの継続的な支援へつなぐ必要があります。

安定した住まいを生活再建の土台にする

仕事を探すことも、病気を治療することも、生活リズムを整えることも、安心して眠れる住まいがあってこそ進めやすくなります。

OSフォワードでは、札幌市内や近郊のグループホーム、アパート・マンション、シェルターなどの提携先を通じて、状況に応じた住居の紹介と住宅支援を行っています。

家具や家電を用意できない方には、生活に必要な物品の準備を支援しています。電話がないことで行政や医療機関、就職先との連絡ができない方に向けて、携帯電話のレンタルも行っています。

私たちは、住まいを「自立できた人が最後に得るもの」ではなく、生活を立て直すための出発点だと考えています。

入居した後も支援を続ける

部屋が決まれば、すべての問題が解決するわけではありません。

長く路上生活をしていた方や、病気・障がいのある方の場合、新しい生活に慣れるまで時間が必要です。金銭管理、服薬、通院、食事、近隣との関係、行政手続きなどで支援が必要になることもあります。

OSフォワードの「相談室つむぐ」では、一人ひとりに必要な福祉サービスを一緒に考え、利用につなげています。サービスの利用開始後も定期的に面談し、安心して暮らせているか、不安や困りごとがないかを確認しています。

住まいを確保することがゴールではなく、その人らしい生活を地域で続けられるようにすることが、本当の意味での生活再建につながります。

OSフォワードが大切にしている支援の考え方

困窮している方を責めない

 

家を失った経緯だけを見て、その人を評価することはできません。

失業、病気、障がい、家庭環境など、自分だけでは防ぎきれない出来事は誰にでも起こり得ます。困っている方に必要なのは、批判ではなく、安心して状況を話せる場所です。

本人の希望と生活のペースを尊重する

支援者が一方的に答えを決めるのではなく、本人がどのような生活を望んでいるのかを一緒に考えることが大切です。

すぐに働くことが難しい方には、まず休息や治療が必要かもしれません。集団生活が苦手な方には、プライバシーを守れる住まいが必要な場合もあります。

一人ひとりに合った選択肢を用意し、その人のペースで一歩前へ進めるように支えることが、OSフォワードの支援方針です。

相談から住居、福祉まで途切れずにつなぐ

制度や支援窓口が複雑だと、困窮している方が一人ですべての手続きを行うことは困難です。

OSフォワードでは、相談、必要に応じた迎え、行政手続きへの同行、住居の紹介、家具・生活用品の準備、福祉サービスへの橋渡し、その後の見守りまで、できる限り途切れない支援を目指しています。

共存できる社会を目指して

私たち一人ひとりにできること

ホームレス状態は、特別な人だけが直面する問題ではありません。収入の減少や病気、離婚、家族関係の悪化などをきっかけに、誰でも住まいを失う可能性があります。

まずは、「本人が怠けている」「働けば解決する」といった決めつけをせず、住まいを失う背景について知ることが大切です。

支援が必要と思われる方を見かけた場合も、無理に事情を聞き出したり、支援を押しつけたりするのではなく、本人の意思を尊重しながら、行政や地域の支援団体に相談できることを伝えてください。

支援団体への寄付やボランティア参加、活動情報の共有も、継続的な支援を支える力になります。

ホームレス状態にある方を社会から排除するのではなく、同じ地域で暮らす一人の人として支えること。それが、誰もが安心して暮らせる社会につながります。

家がない・住むところがない方はOSフォワードへご相談ください

住まいを失ってからでなければ相談できない、ということはありません。

    • 家賃を滞納している
    • 退去日が迫っている
    • ネットカフェや知人宅を転々としている
    • 住み込みの仕事を辞めることになった
    • 生活保護を申請したい
    • 一人で役所へ行くことが不安
    • 病気や障がいがあり、生活を立て直せない
    • 今夜泊まる場所がない

このような状況にある方は、できるだけ早くご相談ください。ご本人だけでなく、ご家族、医療機関、公的機関からの相談も受け付けています。

OSフォワードでは、24時間の電話相談、メール相談、匿名相談を用意しています。うまく説明できなくても、必要なことを一緒に整理します。

NPO法人osForward(オーエスフォワード)

電話:011-866-2224(10時~17時) ※その他の時間帯の電話番号はお問い合わせページをご確認ください。 匿名相談フォームはこちら

 

ホームレス状態は、その人の価値を決めるものではありません。 住まいがなくても、住所や必要書類がそろっていなくても、生活保護の相談と申請はできます。

一人で抱え込まず、まずは今の状況をお聞かせください。 OSフォワードが、生活を立て直すための一歩を一緒に考えます。

※生活保護の受給可否は、申請を受けた福祉事務所が法律に基づいて決定します。制度や窓口の最新情報は、厚生労働省および札幌市の公式サイトでご確認ください。